今やペットは家族の一員であり、健康で長生きしてほしいという思いを持っている方も多いと思います。人と同じように転ばぬ先の杖としてペット用の保険も色々とありますが、何が良いのかよく分からないという方も多いのではないでしょうか?
そんな疑問を持つ飼い主さんのために、猫のペット保険の必要性から選び方までわかりやすく解説します。
猫のペット保険は本当に必要?

猫ちゃんを飼っていると、「ペット保険に入るべきか?」と悩むことがあるでしょう。猫は比較的丈夫な動物ですが、思わぬ病気やケガで高額な治療費がかかることもあります。ペット保険は、そんな万が一のときに飼い主の負担を軽減するためのものです。
猫は室内飼いが一般的ですが、それでも事故や病気のリスクはゼロではありません。例えば、以下のようなケースが考えられます。
誤飲・誤食:好奇心旺盛な猫は、小さなおもちゃやビニールを誤って飲み込んでしまうことがあります。
高所からの転落:キャットタワーや窓際での転倒事故は、骨折や内臓損傷につながることがあります。
感染症:外に出ることがなくても、ウイルスや細菌による感染症にかかることがあります。
慢性疾患:高齢になると腎不全や糖尿病などの病気にかかるリスクが高まります。
こうしたリスクを考えると、ペット保険の加入は決して無駄ではないことがわかります。
猫の治療費の実態と保険の必要性

猫の治療費は人間のように健康保険が適用されないため全額自己負担となります。人間と同じように猫ちゃんがかかる病気は様々ですが、時には高額な医療費がかかるケースもあります。
猫がかかりやすい病気
猫ちゃんがかかりやすい病気は消化器疾患、泌尿器疾患が突出しています。消化器疾患は感染性胃腸炎、膵炎、炎症性腸疾患などがあり、泌尿器疾患は腎臓病、尿路結石、膀胱炎などがあります。
猫ちゃんがかかりやすい病気ランキング
1. 消化器疾患 14.7%
2. 泌尿器疾患 12.0%
3. 皮膚疾患 8.0%
4. 全身性の疾患 7.5%
5. 眼の疾患 6.1%
参考:アニコム「家庭どうぶつ白書 2024」/どうぶつの疾患統計 猫の疾患の請求割合
一般的な治療費の目安
骨折の治療費:10万円~30万円(手術+入院)
尿路結石の治療費:5万円~15万円(投薬+カテーテル処置)
誤飲による手術費:10万円~20万円(内視鏡または開腹手術)
慢性腎不全の治療費(長期治療):月額1万円~3万円(点滴+投薬)
糖尿病の治療費:月額1万円~2万円(インスリン+検査費用)
がん治療費:30万円以上(手術+抗がん剤)
これらの費用をすべて自己負担するのは大変ですが、ペット保険に加入していれば、補償割合に応じて負担額を減らすことができます。
治療費の実例
参考までに実際にかかった治療費の例を見てみましょう。
ケース 1:猫が異物を誤飲し手術が必要になった場合
診察料:3,000円
レントゲン検査:5,000円
血液検査:8,000円
麻酔+開腹手術:150,000円
入院費(3日間):20,000円
合計:約18万円
ペット保険に加入しており、70%補償のプランだった場合、自己負担額は約54,00円となり、負担が大幅に軽減されます。
ケース2:慢性腎不全で長期治療が必要になった場合
診察料(毎月):3,000円
血液検査(3ヶ月ごと):8,000円
皮下点滴(週1回):2,500円×4回=10,000円
薬代:5,000円
合計:月額約2万円
年間で約24万円かかる計算になりますが、ペット保険に加入していれば自己負担額は7万~12万円程度に抑えられます。
実際には猫ちゃんの状態や動物病院、獣医師さんの診察後の判断などよって異なりますので、あくまでも参考としてください。
猫のペット保険の種類と特徴

猫のペット保険には、大きく分けて以下の種類があります。
補償割合での違い
70%補償:治療費の70%を保険が負担
50%補償:治療費の50%を保険が負担
補償範囲の違い
通院・入院・手術をすべて補償
手術のみ補償(費用を抑えられる)
加入条件の違い
年齢制限:加入時の年齢制限がある
持病のある猫は加入不可の場合もあり。
猫のペット保険のメリットとデメリット

ペット保険は、愛猫の万が一のときに心強い味方になってくれますが、すべての飼い主にとって最適とは限りません。加入を検討する際には、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが大切です。
メリット
①突然の高額治療費に備えられる
猫の病気やケガは、ある日突然発生します。例えば、誤飲や骨折、尿路疾患などは急に起こることが多く、10万円〜30万円以上の治療費がかかることも。保険に加入していれば、こうした高額な出費を軽減でき、安心して治療を受けさせることができます。
②継続的な通院や長期治療にも対応できる
慢性腎不全や糖尿病など、特に高齢猫に多い病気は長期的な治療が必要になります。月1〜3万円の医療費が継続的にかかり、年間では30万円になることもあります。保険があれば大きな安心材料になり、家計の負担を大きく抑えられます。
③精神的負担が軽くなる
「治療費が高すぎて受けさせられないかもしれない…」という心配があると、いざというときに迷いや後悔が生まれがちです。保険があれば、金銭的な不安が減り、飼い主としての決断がしやすくなります。
④一部の保険会社では獣医師への相談窓口を利用することができる
アイペットやアニコムなど一部の保険では、24時間の電話相談やLINEでの相談サービスがあり、ちょっとした不安や緊急時にもプロのアドバイスが受けられるのも魅力です。
デメリット
①保険料の支払いが生涯にわたってかかる
猫の寿命は15年〜20年といわれており、年間数万円の保険料を長年払い続けると、トータルで数十万円に達することもあります。結局使わなかった場合、「もったいなかった」と感じることもあります。
②保険が適用されない治療もある
すべての治療に保険が適用されるわけではありません。たとえば以下のようなケースは補償対象外になることがあります。
- 予防医療(ワクチン接種、ノミダニ駆除など)
- 既往症(加入前からある病気)
- 自然分娩や避妊・去勢手術
- 美容目的の処置(耳掃除、爪切りなど)
契約前に免責事項や補償対象外の条件をしっかり確認しておく必要があります。
③年齢や持病によっては加入できないことがある
高齢の猫や、既に持病がある猫は保険に加入できない場合があります。また、年齢とともに保険料が上がる仕組みのプランも多く、シニア期の負担が大きくなる場合もあります。
④全額補償されるわけではない
70%補償プランであれば、残りの30%は自己負担となります。また、1回の治療ごとに限度額が設定されていたり、年間の補償回数に制限があったりする保険もあるため、補償内容をよく確認することが大切です。
ペット保険は「損得」だけでなく、万が一の時の「安心感」を買うものでもあります。若くて健康なうちは必要性を感じにくいかもしれませんが、思いがけないケガや病気はいつ訪れるかわかりません。
ライフスタイルや愛猫の性格・体質、飼育環境などを踏まえて、自分たちに本当に必要な補償かどうか、じっくり考えて選ぶようにしましょう。
こんな猫ちゃんはペット保険を要検討!

ペット保険はすべての猫に必ず必要というわけではありませんが、以下のような猫は特に保険加入を検討する価値があります。
好奇心旺盛でケガしやすい猫
若くて元気な猫は、遊んでいるうちに転落したり、家具に頭をぶつけたり、異物を誤飲したりすることがよくあります。事故やケガのリスクが高いため、保険があると安心です。
遺伝的に病気のリスクが高い猫
例:ペルシャ、スコティッシュフォールド、マンチカンなど
これらの猫種は遺伝的な疾患(多発性嚢胞腎、骨軟骨異形成、心筋症など)にかかりやすいことが知られています。定期的な検査や治療が必要になる可能性が高いため、保険に加入することで経済的な負担を軽減できます。
シニア猫(7歳以上)
猫は7歳頃からシニアとされ、腎不全、糖尿病、甲状腺機能亢進症などの慢性疾患が増えてきます。長期的な治療や定期検査が必要になる場合が多いため、保険が非常に役に立ちます。 ただし、シニア猫の場合は保険への新規加入が難しくなることもあるため、できるだけ若いうちに加入しておくことが重要です。

猫のペット保険を選ぶ際の7つのチェックポイント

猫のペット保険にはさまざまなプランが存在します。一見似ているようでも、補償内容や条件には大きな差があります。愛猫と飼い主にとって本当に必要な保険を選ぶために、以下の7つのポイントをチェックしましょう。
① 補償割合は何%か?
補償割合とは、治療費のうちどれだけを保険会社が負担してくれるかを示します。一般的には以下の2つが主流です。
70%補償:自己負担が少なくなるが、月額保険料はやや高め
50%補償:保険料は安いが、自己負担が大きくなる
選び方の目安
頻繁に通院するリスクがある猫(持病持ち・シニア猫など)→70%補償
健康体で医療費を抑えたい飼い主 →50%補償
② 通院・手術・入院のすべてが補償対象か?
プランによっては手術だけを補償する「手術特化型」もあります。価格は抑えられますが、通院が多い慢性疾患には不向きです。
プランタイプ | 特徴 |
---|---|
総合型プラン | 通院・手術・入院をすべて補償 |
手術・入院のみ | 重症時に備えるが通院は対象外 |
通院のみ(レア) | 通院中心に備えたい方向け(少数) |
③ 補償限度額・回数に制限はあるか?
「年間いくらまで補償されるか」「1回の通院でいくらまでか」といった上限金額も要チェックです。
例:
通院1回あたり 1万円まで(年間20回まで)
手術は1回につき10万円まで、年2回まで
補償の上限が低すぎる場合、思わぬ自己負担が発生することもあります。
④ 保険料は無理なく支払えるか?
月額1,000円台のプランもあれば、3,000円を超えるものもあります。愛猫の年齢が上がるにつれて、保険料も上昇するのが一般的です。
A社の例(月額の目安)
年齢 | 50%補償 | 70%補償 |
---|---|---|
0歳 | 約1,800円 | 約2,500円 |
5歳 | 約2,800円 | 約3,800円 |
10歳 | 約4,500円 | 約6,000円 |
長期的な支払いを見越して無理のない設計をしましょう。
⑤ 年齢制限・加入条件はあるか?
保険には新規加入可能な年齢の上限が設けられている場合がほとんどです。
例:
A社 新規加入は10歳11ヶ月まで
B社 新規加入は9歳まで
また、既往症がある猫は補償対象外になるケースも多いため、加入はできるだけ若いうちに検討するのが理想です。
⑥ 特約やサービスの充実度をチェック
保険会社によっては、基本の補償以外にもさまざまなサービスが含まれていることがあります。
例:
24時間電話相談(獣医師直通)
LINE相談・健康管理アプリ
迷子捜索サポート
健康診断割引チケット
こうした付加価値サービスが、飼い主の安心感をさらに高めてくれる要素になります。
⑦ 保険金請求の手間やスピード
加入者の口コミでよく話題になるのが、保険金の請求方法と支払いスピードです。
請求方式 | 特徴 |
---|---|
動物病院での窓口清算 | その場で精算。手続き不要で簡単。 |
後日請求(書類提出) | 診療明細や領収書を提出して申請。 |
窓口清算が可能な保険は面倒な申請作業がなく非常に簡単ですが、対応病院が限定されるので事前に確認をしておきましょう。
人気の猫保険をご紹介

ではどの猫保険に加入すれば良いのか迷ってしまうと思いますので、参考までに人気の猫保険をご紹介します。
※各社の紹介分はサイトに記載している内容から抜粋しています。
アニコム損害保険
- ペット保険シェア15年連続No.1!
- 窓口精算できる対応病院が全国6,800病院以上
- 通院・入院・手術トータル補償!
- 全国すべての動物病院診療費が対象
- 年に1回無料で腸内フローラ測定が受けられる!
主な商品:「ふぁみりぃ」「しにあ」「ぷち」
アイペット損保
- 第一生命グループ
- 窓口精算が利用できるから、保険金請求が漏れない!
- 業界最高クラスの充実補償だから安心!
- 0歳~12歳11か月まで加入できる!
主な商品:「うちの子」「うちの子Linght」
FPC
- 保険料と補償のバランスで選ぶなら、ペット保険のFPC
- 通院・入院・手術の区分なし
- 業界トップクラスの充実補償
- 継続率 96.15%
主な商品:「ペットほけん フィット」「ペットほけん マックス」「フリーペットほけん」
エイチ・エス損保
- お手ごろな保険料で通院・入院・手術をカバー!
- 1回あたりのお支払い金額・お支払い回数の制限なし
- 歯科治療、膝蓋骨脱臼(パテラ)、椎間板ヘルニアも補償対象!
主な商品:「ペット保険」
ペットメディカルサポート
- 業界最安クラスの保険料がずーっと続く。12歳以上は定額に。
- 業界最大クラス 年間総額110万円の手厚い補償
- かかりやすい病気やケガもしっかり補償
- 一生涯継続できる
主な商品:「PS保険 基本プラン」「PS保険 堅実プラン」「PS保険 充実プラン」
ペット&ファミリー損害保険
- T&D保険グループ
- 月々1,560円~のスリムな保険料で幅広く補償!
- 万全の治療をあきらめずに続けられる!
- 全国すべての動物病院が対象!時間外診療費も補償!
- ご都合に合わせて選べる補償プラン!
- 10歳以上の保険料は一律
- 終身補償
主な商品:「げんきナンバーわんスリム」
リトルファミリー少額短期保険
- 業界最安クラスの保険料だから一生続けられるペット保険
- あなたに”もしも”があったとき うちの子の未来をつむぐ保険
主な商品:「にゃんデイズ」「みらいの約束」
料金や補償内容は猫の年齢やプランによって異なります。最新情報は各保険会社の公式サイトを確認してください。
まとめ

猫のペット保険は「補償内容 × 費用 × ライフスタイル」で選びましょう。
猫の性格・年齢・かかりやすい病気の傾向などによって、最適な保険プランは変わります。
例えば、
やんちゃな若猫 → 通院・手術のバランスがとれた総合型
高齢猫・持病あり → 通院に強い手厚い補償型
健康で通院歴ほぼなし → 低コストの手術特化型でも可
「安心を買う」ための保険ですから、後悔のないよう複数社を比較・検討して決めましょう。